理念実践型経営者は!
2011年04月08日 17:29
昨日、震災後、初めて八戸市内被害地や知人の会社を廻って
現状を確認してきました。
市内市川地区は津波の直撃を受け、家屋、畑などが無残にも
破壊され、まだまだ、復興に手間取っている状態です。
また、舘鼻岸壁はテレビ放映で八戸港の大型船が陸に打ち
上げられたのを見た方が多いのでないかと思いますが、まさ
にそのまま船が横倒しになっていました。
しかし、そばには何にもなかったように車が駐車され、つい
この前の津波被害の現場と思えないような不思議な光景に
驚きを隠せません。
二月に新規オープンした、八戸市第三セクター多目的ホール
「はっち」に入居している(有)みな実の須藤社長を訪ね、新店
舗の事をお聞きする事ができました。
カフェは一階のメーンストーリに面して、客席25席ぐらいです
が白色を主体的にしたシンプルなお店です。
入居の競争率がとてつもなく高かったが、青森同友会経営指
針を創る会で学んだことを基本にプレゼンしたら、何と予想を
反して並みいる企業を抑えて合格。
そこには経営理念を成文化、地域の為、人のための店舗に
する。このように断言した。
華々しくオープンして1カ月後に大震災、このビルは避難場所
に指定、多くの被災者が1階ホールに溢れかえり、須藤社長
はすぐに炊き出しを開始、その時に一番先に応援に来てくれた
のが同じ同友会の居酒屋くいもの屋わん林店長だった。
そして、被災者にはあったかいコーヒーやスープを出し、大変
喜ばれ、4日間続けることができた。そして商店街が閉店の中
真向かいにある自社店舗も含め、開店を続けることができた。
(でも本当は自分も被災者。)
この要因は、仕入先のパン屋さんからの支援があったからだ。
昨年末まで大手パンメーカーからパンやワッフルなどの原料
を仕入れていたが、新店舗を出店するに当たり、自社の経営
理念に沿った運命共同体の理念共有先を選択していた。
そこで地元企業を探して想いを伝えたら、感動して戴き新規
取引になった。
このような事で、震災でも炊き出しやボランテイアをしている
姿に共感して、原料を優先的に供給してくれたのだ。
そのおかげで食料、材料不足で、フランチャイズの料理店な
どが休業している中でも、オープンを続けることが出来たそう
です。
地元客からは、「ありがたい、美味しい、本当にありがとう」と
云われ、津波がおさまって現在は多くの方々が「先日はあり
がとうございました」とお店に立ち寄ってくれるそうです。
須藤社長は云いました「中小企業家同友会で経営指針を作
っていなかったら、はっちの出展もなかったでしょう。震災での
対応もなかったでしょう。これは同友会で学んだ事、実践した
事、地域の為の仕事です。おかげ様です。」
このように断言していました。
真の経営者、会社、人間性は困った時に、その真価は問われ
るものです。経営理念成文化した時は同期の中で一番
苦労したではないでしょうか。でもその分自分、会社にしっかり
落とし込んでいく事が出来たものと確信しています。
久しぶりにすばらしい魂の入った経営者に会いました。
投稿者 : ewistaff | 青森中小企業家同友会